1.特徴

当院外科は、地域住民、医療生協組合員に対して、常に高レベルの外科医療を提供する とともに診療情報の開示にもとづき患者の自己決定を重視した患者中心の医療を目指している。 そのため一般外科を中心にそれぞれの分野において国内最先端の医療を学び実践できるよう学会活動を積極的に行なっている。

外科専攻医は、各疾患について指導医のもとに熟練度に応じて主治医として手術手技を 修得する。

日本外科学会外科専門医カリキュラムの到達目標を達成するのに充分な症例数の経験は 可能である。ただ、当院において経験不可能な心臓血 管外科の手術経験は、名古屋大学附属病院との関連で可能である。


手術件数

2008 2009 2010 2011 2012
悪性 51 40 26 32 31
結腸直腸 95 99 114 113 104
肝胆膵 14 19 15 14 13
4 2 5 2 2
乳腺 26 40 25 19 18
甲状腺 2 1 4 2 2
その他 10 6 5 3 5
小計 202 204 194 185 175
良性 虫垂炎 74 87 74 87 67
ヘルニア 61 73 70 47 53
胆石 62 61 62 70 63
180 178 170 168 189
6 3 8 6 5
その他 141 110 139 122 114
小計 537 513 523 500 491
合計 739 717 717 685 666

2.一般目標(総論)

地域住民、医療生協組合員のニーズにこたえるべく、レベルの高い均質な、包括的で全人的な外科診療を実践できる専門医を養成する。そのために次の到達目標を持ち、研修を段階的にすすめていく。

ア) 外科専門医として、適切な外科の臨床的判断能力と問題解決能力を修得する。

イ) 手術を適切に実施できる能力を修得する。

ウ) 医の倫理に配慮し、外科診療を行なう上での適切な態度と修得を身につける。

エ) 外科学の進歩に合わせた生涯教育を行なうための方略の基本を修得する。

3.一般目標(各論)

卒後臨床研修を修了した後、外科学概論、基本的手術手技および一般外科診察に必要な外科診療技術を修得する。また、外科サブスペシャルの特徴も修得させる。

ア) 外科総合カリキュラムとして学習する。

イ) 外科サブスペシャルに共通する外科の基本問題解決に必要な基本的知識、技能及び態度を修得する。

  • ※基礎的知識とは、外科に必要な局所解剖、病理・腫瘍学、病態生理、輸液・輸血、血液凝固と線溶現象、栄養・代謝学、感染症、免疫学、創傷治癒、術後疼痛管理を含む周術期管理、麻酔学、集中治療、救命・救急医療(外傷・熱傷)など全てを包括する。
  • ウ) 実地臨床症例を教師とし、体験から自己学習を促進する。

    4.行動目標

    日本外科学会外科専門医修練カリキュラムに則り修練目標を達成する。


    到達目標Ⅰ:基本的知識と臨床応用


    1 局所解剖 8 感染症
    2 病理学 9 免疫学
    3 腫瘍学 10 創傷治癒
    4 病態生理 11 周術期の管理
    5 輸液・輸血 12 麻酔学
    6 血液凝固・線溶現象 13 集中治療
    7 栄養・代謝学 14 救命・救急治療

    到達目標Ⅱ:検査・処置・麻酔手技

    1.検査手技

  • ①超音波診断  ②X線単純撮影・CT・MRI  ③上・下部消化管造影・血管造影など  ④内視鏡検査  
    ⑤消化官機能検査  ⑥呼吸機能検査
  • 2.周術管理

    3.麻酔手技

    4.外傷の診断・治療

    5.外科的クリティカルケア

  • ①心配蘇生法-ACLS  ②動脈穿刺  ③中心静脈カテーテル及びSwan-Ganzカテーテル  
    ④レスピータによる呼吸管理  ⑤熱傷初期輸液療法  ⑥気管切開  ⑦胸腔ドレナージ
    ⑧ショックの診断と原因別治療  ⑨DIC、SIRS、CARDS、MOFの診断と治療  ⑩抗がん剤
  • 6.外科的サブスペシャルの分野の初期治療


    到達目標Ⅲ:手術手技とその臨床応用

    日本外科学会外科専門医修練カリキュラムに則り、外科各分野で経験すべき最低症例数以上の手術を実施する。

           
    1 消化管及び腹部内臓 50例 6 頭頚部・体表・内分泌外科 10例
    2 乳腺 10例 7 小児外科 10例
    3 呼吸器 10例 8 臓器の外傷 10例
    4 心臓・大血管 10例 9 鏡視下手術 10例
    5 抹消血管 10例

    ※手術・手技一覧の詳細については日本外科学会外科専門医修練カリキュラムを参照のこと。

    ※また、同カリキュラムに要求されている術者または助手としての手術350症例以上、術者として120症例以上について手術経験を積む。

    到達目標Ⅳ:外科診療を行う上で、医の倫理に基づいた適切な態度と習慣を身につける

    ア) 外科における医師間のグループ医療

    イ) コメディカルスタッフとのチーム医療

    ウ) インフォームド・コンセント

    エ) 緩和ケア

    オ) 研修医・学生への指導

    カ) 教育資源の活用

    到達目標Ⅴ:生涯教育を行う基本の修得

    ア) カンファレンスや学術集会への参加

    イ) 学術出版物の抄読と吟味

    ウ) 症例報告・臨床研究

    エ) 資料の収集や文献検索

    =付記=

    協立総合病院外科での3年間の各年度に到達すべき手術手技等は、専攻医それぞれの習熟度に応じてそれぞれ考慮され、それに応じて主治医となる疾患も異なるが、概ね各年度に習熟すべき外科的手術術式は次のとおりである。


     1年目:ヘルニア手術、痔疾患手術、虫垂切除術、(腹腔鏡下)胆嚢摘出術、胃亜全摘術、大腸切除術等

     2年目:胃全摘術、脾摘出術、乳癌手術、腸閉塞手術等

     3年目:直腸切断術、膵体尾部切除術、肝部分切除術


     週間スケジュール

    手  術  日:月曜日~金曜日

    外     来:各医師に割り当てられた日

    カンファレンス:随時

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